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新型インフル「本格流行」



厚労相 感染拡大で緊急表明
 舛添厚生労働相は19日、感染の拡大が続き、死者が相次ぐ新型インフルエンザについて、緊急の記者会見を
開き、「本格的な流行が既に始まったと考えていい」と語り、秋以降に懸念される大流行に備えた感染予防の
徹底を呼び掛けた。
 国立感染症研究所のまとめによると、3〜9日に全国約5000医療機関から報告されたインフルエンザ患者数は
1医療機関あたり平均0.99人と、流行入りの指標となる「1医療機関あたり1人」に迫る勢い。ほとんどが新型
インフルエンンザ患者とみられ、学校の休みが明けると、感染者が急増する可能性が高い。
 舛添厚労相は「ここまで拡大することは予想していなかった」と述べたうえで、今春の発生時に比べて国民の
関心が低下したとの懸念を表明。「見えないリスク、新しいウイルスへの警戒を解いてはいけない」と訴えた。
国民に対し、症状が出た場合のマスク着用など、感染拡大防止への協力も求めた。
 重症患者や死亡者が増えると、医療機関の混乱も予想されるため、重症例の症例集を作り医療機関に配布する
ことを明らかにした。感染予防に効果が期待されるワクチンについては、5300万人分を準備する意向を改めて強調。
優先接種の対象者を早急に検討する方針を示した。



名古屋で3人目死者 81歳女性 入院先6人感染疑い



名古屋市は19日、新型インフルエンザに感染した同市在住の81歳無職女性が死亡したと発表した。死因は重症
肺炎。女性は多発性骨髄腫と心不全の疾患があった。新型インフルエンザ感染者の死亡は、今月15日の沖縄県
宜野湾市の男性(57)、18日の神戸市の男性(77)に続き、国内3例目。
 名古屋市は女性の検体を国立感染症研究所に送り、ウイルスの病原性などを調べる。多発性骨髄腫は血液の
がんで、多くの臓器に影響を与えるため、免疫力が低下するという。市では、「基礎疾患を持った患者であり、
ウイルスの毒性が高まったとは見ていない」としている。
 市によると、女性は今月13日午後1時に、39.5度の高熱で救急外来を受信し、入院。15日にせきの症状がひどく
なったため、4人部屋から個室に移動した。17日に簡易検査でA型陽性、18日に遺伝子検査で新型インフルエンザ
陽性と確認され、酸素吸入を実施したが、19日午前1時32分に死亡が確認された。女性に海外渡航歴はないという。
 女性が入院していた病院では入院患者2人、研修医1人、看護師3人について、新型インフルエンザ感染の疑いが
確認されている。



日ハム選手 全員検査
 新型インフルエンザの集団感染が確認されたプロ野球北海道日本ハムファイターズは19日、まだ検査を
受けていない選手、チームスタッフら全員の検査を19日午後、札幌市内の病院で行うことを決めた。また、
同日朝に新たに6人が微熱を訴えたが、全員が18日の検査で陰性と診断されており、予防の投薬も受けている
という。旭川スタルヒン球場で開催予定だった日本ハム楽天17回戦は19日、降雨のため、中止になった。



甲子園球児も感染
 全国高校野球選手権大会に出場している立正大淞南(島根)の登録選手3人と練習補助員2人の計5人がかかった
インフルエンザA型が、新型インフルエンザだったことが19日、明らかになった。18日に感染者のうち1人の
検体を遺伝子検査した結果、新型と判明。19日午前に保健機関から高校に連絡があった。
 日本高野連によると、感染者以外の登録選手は簡易検査を受け、全員陰性と診断された。このため、大会本部
は特別な措置は取らないと発表した。






 
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