セラヤ大統領 窮地 読売新聞の記事です。

ホンジュラス クーデター3か月 「劇的帰国」もデモ続かず
テグシガルパ=小寺以作]中米ホンジュラスのセラヤ大統領がクーデターで国外追放されて28日で3か月。
大統領は今月21日、秘密裏に帰国して政権復帰をもくろんだが支持は思うように広がらず、駆け込んだ先の
ブラジル大使館で身動きが取れずにいる。
 首都テグシガルパにあるブラジル大使館は27日、周辺の道路を武装兵士が封鎖して敷地内の様子をうかがう
ことは出来なかった。セラヤ氏は、妻や支持者ら数十人と館内に立てこもり、国連から差し入れされる食料で
生活しているという。
 首都では、大統領の帰国直後に見られた支持者のデモによる混乱も収まり、平穏さが戻っている。
当局の外出禁止令に加え、セラヤ氏の支持基盤である貧困層には経済的ゆとりがなく、デモを続けるのも困難
なためだ。
 スペイン国営通信によると、暫定政権は治安維持を名目に憲法で保障された報道と集会の自由を45日間停止
すると発表。28日にはセラヤ氏寄りのラジオ局が軍に占拠されるなど、大統領派の活動はさらに難しくなって
いる模様だ。
 セラヤ氏の狙いは、自身の劇的な帰国で反暫定政権デモを盛り上げ、ミチェレッティ暫定大統領に圧力を
加えることだったが、もくろみは外れた格好だ。
 反大統領の暫定政権は、セラヤ大統領が憲法で認められない再選を企てたと主張しており、大統領には国家
反逆などの容疑で逮捕状が出ている。
 反大統領の暫定政権側は、予定通り11月29日に大統領選を実施し、民意を反映した新大統領を選出することで、
クーデターによるセラヤ氏追放を既成事実化することを目指している。
 クーデターを非難する米国や中南米諸国は、セラヤ氏の大統領復帰を認めない限り大統領選の結果を承認
しないとしている。だが、大統領選の主要候補4氏はそろって、「選挙はクーデターと無関係」と正当性を
主張して暫定政権に同調しており、選挙実施は譲らない構えだ。
 暫定政権は27日、ブラジル政府にセラヤ氏を10日以内に引き渡すか亡命させるよう求めたが、ブラジル側は
受け入れない構えだ。セラヤ氏は当面、大使館内から自身への支持呼びかけを続けると見られるが、復権への
展望は開けずにいる。





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