3週間遅れの「金」 東京新聞の記事です。

モーグル猪苗代大会 上村 W杯10勝目
 フリースタイルスキーのワールドカップ(W杯)猪苗代大会は7日、福島県猪苗代町のリステル
パークで女子モーグル第8戦を行い、上村愛子(北野建設)が23.00点で今季初優勝、昨年2月以来の
W杯通算10勝目を挙げた。2位はバンクーバー冬季五輪銀メダルのジェニファー・ハイル(カナダ)で、
銅メダルのシャノン・バーク(米国)が3位。金メダルのハナ・カーニー(米国)は出場していない。
 日本のほかの五輪代表は伊藤みき(中京大)が7位、村田愛里(北翔大)は13位、里谷多英(フジテレビ)
が22位。



ヒロイン「つら過ぎた」心抑え
 すべてを注いだ五輪から、わずか3週間。「戦いにいくのはつらすぎた。きょう滑れたことが奇跡」。
やっとの思いで体をスタート位置まで運んだ上村が、五輪メダリストを従えW杯通算10勝目を飾った。
「滑りは粗いところばかり。だけど、自分らしいスピード感を見てもらえたのは良かった」と笑みを
ふりまいた。
 濃霧の晴れ間に、最大斜度35度の難コースを攻めた。「勝手にスピードが出た。ゴールできたのが
びっくり」。第1エアの着地で乱れ、中間の滑りもバランスを崩しかけたが、立て直した。28秒99と
唯一、30秒台を切るフィニッシュ。ターン点はハイルに劣ったが、タイム点の貯金で上回った。
 五輪直後の大会で、中断も相次ぎ、多くの選手は攻める意欲に欠けた。「出るかきょうまで迷った
けど、たくさんの人が期待している以上はしっかり滑ろうと思った」。出場を決めた理由が、そのまま
勝因になった。
 準備を積み重ねた五輪はメダルに届かず、練習もせずに臨んだこの日は勝った。「きょうはタイム
だけ。あの滑りでいいなら全然いけるけど、採点競技は分からない」と首をひねった。
 去就は「全然決まっていない。いまは休みたい」と明言を避けた。有終の美か、5度目の五輪への
第一歩か。本人の出す結論が節目の勝利の意味を決める。(栗田晃)





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