反米強まる中南米で・・・ チリ新政権 米に接近へ 東京新聞の記事で

[サンティアゴ=嶋田昭浩] チリの首都サンティアゴ西方のバルパライソで11日行われたピニェラ
大統領の就任式には、中道左派のアルゼンチンのフェルナンデス大統領や反米左派のボリビア
モラレス大統領とともに親米右派のコロンビアのウリベ大統領ら南米各国の首脳が出席。
ピニェラ氏は、左派首脳とも親しく言葉を交わしたが、今後、コロンビアなどと足並みをそろえ、
対米接近を強めるとみられている。


 
震災復興で右派色は弱く
 ピニェラ大統領は同日、大地震後の犯罪防止策として「必要とされる部隊をすべて(直ちに)配備
する」と述べ、軍出動に二の足を踏んだとされる中道左派のバチェレ前政権との違いを際立たせた。
 新大統領は、就任前日の10日、首都でのサッカー親善試合で、熱狂的なファン同士として左派の
モラレス大統領とサッカーに興じる姿を披露した。だが、1990年のピノチェト軍政終結以来、20年
続いた中道左派政権に終止符を打った中道右派の政権だけに、欧米メディアは「社会主義者らが
政権を握る中南米で(政治潮流の)右への変化を特徴づける」と指摘する。
 中南米・カリブ地域の首脳らは先月23日、米国とカナダを除いた新たな地域機構の設立に合意し、
「米国離れ」を鮮明にしたばかり。会議の席上、駐留米軍増派を受け入れたコロンビアのウリベ大統
領と反米左派のベネズエラチャベス大統領がののしり合うなど、感情的な左右対立も浮き彫りに
なった。
 その中で、サンティアゴの外交筋は「ピニェラ大統領はコロンビアや中米のメキシコと足並みを
そろえ、米国に接近する」と指摘。反米左派の動きが活発な南米で、チリ新政権は米国の潜在的
盟友と目されている。
 ただ、新政権は、経済的損害が推定300億?(約2兆7千億円)ともされる大地震被害の重荷を背負い
ながらの船出。前政権同様、社会政策重視の立場は崩せず、内政面では、徹底した自由主義など右派
色の強い政策の遂行は困難のようだ。







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