庶民のカトリック教会です。

季節は、既に冬から夏に替わっていて、それなりに日差しは強いのですが、
汗をかくようなことはありません。



昨日の日曜日、Nさんから電話が入りました。
予定されていたアポイントが急になくなったけど、その穴を埋めるタイミングで、
教会へ誘われたというのです。どうやらバザーがあるらしく、教会でお昼を食べ
ませんか、と声をかけてもらいました。半年早く赴任されただけなのですが、人望が
篤く、何時も、ホンジュラスのいろいろな人から誘われて、交流があるようです。
二つ返事で合流させてもらうことにしました。



ホンジュラスの首都というのは、正確には、チョルテカ川を挟んで、二つの街から
成り立っています。地図で言うと、川の右側が、山の手とも言えるテグシガルパで、
左側が、下町とでも呼べばいいのでしょうか、コマヤグゥエラです。



昨年、バンダのコンサートが、テグシガルパにあるアブンダンテ教会や、国際中央
カトリック教会で行われ、見に行きました。いずれも駐車場を備えた立派な建物で、
1,000人以上の観客を収容できます。
しかし、今日のカトリック教会は、下町コマヤグゥエラにある小さな庶民の教会です。



Nさんは、教会へ行く途中のガソリンスタンドで、待ち合わされていました。



教会は、ガソリンスタンドを右折して、少し先の所にありました。
ところが、この脇道は、舗装されていませんでした。



ホンジュラスの幹線道路というのは、とても立派なものです。
以前、何故なのかを、質問したことがありましたが、日本ではあまり見かけることの
ない超重量級のトラックの重さに、十分に耐えられるように作られているというもの
でした。



脇道というか支線道路は、地方によっても差があるようです。商業の首都と呼ばれて
いるサン・ペドロ・スーラや、その近郊都市エル・プログレッソは、道の大半が舗装
されています。どうやら地方毎の財政の豊かさに関わっているようです。
首都にも、こんな道があったんだと改めて知りました。



一般的には、どの地方へ行っても、先ず教会があり、その前には中央公園、その公園
を取り囲むように、市役所や学校があります。そうしたスペインの文化が今も色濃く
残されているようです。
ですから、初めて訪問する都市でも、そこまでは、直ぐに見当がつきます







小さな教会には、既に大勢の人がいました。
バザーというより、何かお祭りのようにも思えました。食べ物や飲物の屋台が並んで
いました。直ぐ、隣なのですが、一応、そこで食券を買い、その券で飲物や食べ物を
受け取ります。



写真のビニール袋に入っているのは、オルチャータという米の粉と砂糖、それに、
シナモンが入っている飲物。日本円で約30円です。大きなバケツの容器から柄杓で
すくって渡されるため、思わず結構ですと言いたくなりますが、郷に入れば郷に従え
です。飲んでみると、意外や意外、冷えていて、とてもさわやかな味でした。
口の中に米の粉が少し残る感じです。どうやら、袋の底の方では、粉が溜まっている
ので全部飲まなくてもいいようなことを言われました。



食べ物は、モツを煮込んだスープのモンドンゴやタコスのようなものがありましたが、
これまで食べることのなかったタパードにしました。肉の塊、ご飯、プラタノなどが
一緒に煮込まれたスープ料理です。肉は、スプーンでは、とても切れないので、噛み
切りました。少し塩を塗りこんであったのか、塩分が効いていたのですが、ご飯や、
調理用のバナナと良く合っていて、残さずに食べられました。
ご馳走になってしまったため、いくらだったのか聞きそびれてしまいました。







周囲が騒がしくなりました。
Nさんの友人が、3人の男性に、何処かへ連れさられそうになり抵抗していました。
抵抗する人には、ロープまで用意されていました。牢屋へ入れるという遊びです。
教会の外にある一番奥まった所が、牢屋に見立てられていました。私も捕まって
しまったのですが、釈放してもらうためには、何がしかの寄付が必要なようです。
どうやら、教会で何かお金が入用になった時には、こうしたイベントを行い、皆で
負担し合っているようです。



食べ物代も飲物代も、保釈金も、この日の売上は、全て教会に寄付されるのでしょう。
保釈金を払わなくてもいいと言われましたが、日本円で120円ほど払いました。



Nさんの友人は、この教会は、近隣の800人から1,000人の信者で支えられて
いると胸を張って言っていました。自分は、その1人なのだという誇りがあるようです。
まさに、その信者達によって建てられた自分達の教会になる訳です。



日曜日の一時、親兄弟から、その子供達、友人、知人達、皆が、集まっています。
最近でこそ、子供の数が2人から4人位だそうですが、少し前までは、8人兄弟が普通
だったようです。ですから、1家族が集うだけで、1つの団体になってします。



信仰心が、人によって異なるのは当然なことですが、篤信の人は、当たり前のように、
毎月収入の10分の1を教会に寄付するそうです。これは、プロテスタント教会でも
同じことが言えるようです。



そう言えば、少し親しくなった時点で、よく神を信じますかと尋ねられました。
無神論者などと言おうものなら、真顔でアドバイスされてしまいました。
私は、あなたより若輩ですが、人に決して無神論者などと言ったりしてはいけませんと。
それからは、アドバイスに従っています。



教会の前に駐車していた車は、砂埃で白くなっていました。
Nさんは、タオルでその砂埃を掃っていたのですが、向うからバスがやってきました。
また、砂埃が立ちます。めげずに、またタオルで掃われるのですが、今度は反対方向
からバスがやってきました。皆、気の毒がるどころか、面白がって大笑いです。
結構、車の上にも砂埃が積もるような感じなのですが、誰も深刻に受け止める人は
いないようで、明るく笑い飛ばしてしまっています。
その大らかさにつられて、つい一緒になって笑ってしまいました。
Nさん、ゴメンナサイ。





人気ブログ・ランキングへ