アパートで給水車に出会いました。




1年も、アパートで暮らしていながら、給水車には、気がつきませんでした。
このアパートは、1階部分は、駐車場になっています。その駐車場の下が、貯水槽に
なっているということは聞いていました。ですから、水を貯えるためには、水を
運んでくるための給水車が必要なのですが、これまで見たことがありませんでした。
あるいは、見ていても、見えていなかったのかも知れません。



貯水槽には、2万ガロンの水が入ると言われました。1ガロンは、3.785リットルです
から、単純に計算して75700リットルになりますが、この車10台分の水を貯えることが
できると言われた方が分かり易いです。更に、屋上にも貯水槽があり、そこでは、
1万ガロン貯水できるそうです。水位は計器で計られていて、水が少なくなってきたら、
その都度補給し、後は、モーターの力で、屋上の貯水槽まで吸い上げているそうです。



蛇口から出る水は、十分綺麗な水のようにも思えますが、野菜や食器を洗うだけで、
この水を飲むことはありません。米を研ぐ時も、始めは、この水を利用しますが、
最終的には、飲料用の水を使います。最も、ご飯は、あれば美味しく食べるのですが、
無くても構いませんし、今のところ、それほど食べたいとも思っていません。
そして、お風呂やシャワー、水洗トイレの水にも、この水が使われています。



飲料水としては、毎週火曜日と木曜日に、ボトルに入った水を売りに来ます。
18.9リットル入りで、日本円で180円です。このボトルのサイズに合わせた家庭用の
給水機があり、逆さまに置いて使っています。冷水と熱湯があるので、とても便利です。
この給水機は、アパートに入居する前、長期滞在用のホテルにもあったもので、重宝
していましたので、入居条件として、この給水機を備えてもらうことをお願いしました。



このボトルの水は、1週間で、ほぼ1本使用しています。ひっくり返して使う訳ですから、
上部を綺麗に拭けば良さそうなものですが、いつも見栄えのいい綺麗なボトルがくる
とは限りませんので、今まで使っていて空になったボトルに、水を移し変えています。
この作業が結構、力仕事で、それから、給水機の上に載せるのは、更に大変な作業に
なっています。水を逆さまにする訳ですから、手元が狂うと、大幅にこぼしてしまいます。
ちょっとした、体力検査の役割を果たしていると言えます。

 

水の料金を聞いて、何とも不思議な気持になりました。
このトラック1台の水の料金が、3600円だそうです。もの凄く安いようにも思える
のですが、実際、自分が使った水の量を具体的に見たことがありません。
日本では確か、水道料金というのは、2ヶ月に1回徴収されたと記憶しています。
でも、その量が、どれほどのものだったのかは分かっていません。数量としては
理解できていても、具体的に、どのくらいのボリュームだったのかは実感できて
いません。日本では、水道の蛇口を、ひねりさすれば言い訳ですから、感覚的に、
洗濯が多かったとか、何か思い当たるものがあって料金に納得しているのかも
知れません。



ホンジュラスでは、このトラックを水で満たし、客先へ出向いて、水を貯水槽へ
流す事になります。日本では、自動的に水道を流れる水を、マンパワーで、2人の
男性が対応していますから、このアパートまでの所要時間や二人の経費を考えると、
とても採算が合うとは思えなくなってしまいます。全額利益だとしても、3600円な
訳です。これで採算を合わせるとなると、経費は、限りなくガソリン代に近づき、
人件費は、ほとんど考慮されていないのではないかとさえ思えてしまいます。



一方、このペットボトルの水は、コロニアのスーパーでは、1本80円でした。
水そのものの価値というよりも、便利さの価値なのかも知れません。しかも同じ
ように見えるペットボトルの水も、30円から130円まで、価格差がありました。
予算と好みで選べるようには、なっているのでしょう。確か、ビニールの袋に
入って売られている水は、12円でしたから、飲み水一つで、そのまま社会的な
ステータスが現れているようにも思えてしまいました。





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