タルグア洞窟へ行きました。





出発に際して、ちょっとしたハプニングがありました。
集合時間は午前6時で、集合場所は、国立職業訓練機関でした。タクシーは、5時半、予定通りに来てくれました。
交通量は、ほとんどありませんでしたので、集合場所までは、アパートから10分もかかりませんでした。



ツーリストポリスの姿は、まだありませんでした。門の側に若い男性がいましたので、尋ねたら、一緒に行く
ガイド志望の学生でした。ほどなく、ピックアップで、ツーリストポリス一行がやってきました。そして、
6時前には、全員が揃っていました。直ぐに出かけて、どこか途中で朝食が摂れればいいと思っていましたが、
肝心のバスが来ません。
7時半になると言われました。ホンジュラス時間には、慣れていますので大丈夫ですと冗談で応えました。
本当に不思議に思うのは、腹を立てている人が誰もいないということです。起こってしまったことに対しては、
そのまま素直に受け入れることが、ここでの常識なのかも知れません。



小型バスが来ました。運転席同様、見晴らしがよい助手席に座りました。写真を撮れます。ドライバー氏が、
小声で遅れたことを謝ってきました。外国人だからなのでしょう。怒っている人は、いませんよと応えました。



タルグアは、オランチョ県にあります。ホンジュラス18県の中で面積が最大の県です。エルサルバドル
1.7倍だそうです。この方面へ行くのは、初めてです。ドライバー氏は、そのことを気に留めていてくれて、
写真スポットなど、時折アドバイスしてくれました。日本の援助で建設された橋も、その一つです。
ホンジュラスの人達は、皆、日本が何本もの橋の建設や病院といった実生活に必要な支援をしてくれている
ことを良く知っています。最近では、消防車輌が寄贈されています。そうした場所や物には、ホンジュラス
日本、両国の国旗で表示されていて、誰にでも直ぐに分かるようになっています。また、各分野へのJICA
ボランティア派遣という、人による支援に対しても、優れた支援だとして評価されています。一般的には、
日本の支援は、お金だけで、顔が見えないと言われていますが、ここでは、まるで反対です。日本でも、時の
麻生外務大臣が、ホンジュラスへの日本の援助に少し触れられておられましたが、大多数の日本の人達は、
そうした事実をご存知ないかも知れません。
舗装された道が、どこまでも続きます。一般道に信号がないので、ほとんど高速道路状態です。制限速度は、
郊外が時速80キロで、市内周辺が40キロです。途中、交通警察官による検問もありますが、この日ばかりは、
特別です。スピードもかなり出していましたし、第一、このバスの助手席には、シートベルトがありません。
それだけで、十分罰金の対象になります。幸い、途中で停められるようなことはありませんでした。



テグシガルパからタルグアまで2時間半と聞いていましたが、実際には、3時間近くかかりました。距離では、
およそ220キロです。どうやら、ホンジュラスの人達には、人から時間を聞かれると、短時間で行けるように
応えるというような感覚でもあるのかも知れません。その日の交通量によって所要時間に差があるのは当然
なのですが、一般的な傾向として、少し短く応えるという文化なのかも知れません。



タルグア洞窟に到着しました。この洞窟は、1994年に発見されたそうです。
最初に洞窟に入った人の好奇心には、敬意を払いたいものです。中に入ると、足元の悪い所には、手すりが
施してありました。また、地下水が流れているお陰で、思っていたより暑くなく汗をかくこともありません
でした。



この洞窟の奥から、輝いているという頭蓋骨が発見されています。
今からおよそ3千年位前のものだそうで、頭蓋骨に何か塗ったようで、今でも黄色く輝いているそうです。
この洞窟に人が住んでいた形跡はないそうですが、ここで、死者に対して、何か特別な儀式が行われて、
埋葬されていたようです。



若しかしたら、高貴な人のための死後の世界への入口だったのかも知れないなどと、つい勝手な想像を
働かせてしまいますが、遥かな昔へのロマンを感じさせます。ガイド志望の学生達と一緒に、鍾乳洞を
見に行くだけのことと簡単に考えていましたが、思いもしていなかった事実に出会いました。



実際、輝いている頭蓋骨が残っているというのは、世界には例がないそうです。
その昔、台湾の故宮博物院で、ラマ教高僧の頭蓋骨に金箔を被せたり、骨に装飾したりしたものを見た
ことがあります。何か、そうした考え方に、共通しているものでもあるのでしょうか。
世界で唯一ホンジュラスだけということもあり、観光スポットとして大切にされています。
入場券売り場の横に、小さな博物館がありますが、そこに輝く頭蓋骨のレプリカが展示されています。
タルグア洞窟には、お休みの日がありませんので、いつでも訪問することができます。







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