今週に入って、ヘラ ルド紙は、貧困のキャンペーンを始めたようです
新聞のタイトルの文字は、いつもは、赤色なのですが、月曜日の特集版の別刷りでは、白色のタイトルが
印刷されていました。そう言えば、航空機事故を報じた日の新聞のタイトルは、気がつかなかったのですが、
黒色でした。
ヘラルド紙は、月曜から連日、一面の全面を使って、貧困状態の写真を載せ、中で詳しく報じています。
皿の中の食べ物を手掴みしている写真は、野菜のように見えますが、草だそうです。
極限の貧しさというのは、飢えにつながります。建築資材やガソリンの値上がりなどといった問題とは、
次元が異なります。298の自治体の内、ほぼ3分の1に当たる85の自治体が貧しいと伝えています。
貧しい地域は、県別では、18の内11県に及び、西部地域に集中しています。
首都のテグシガルパにいる限り、また、これまでに見てきた地方の景色からは、ホンジュラスの何処が
最貧国なのだろうと、疑いの目で見ていましたが、こうした写真を突きつけられますと、何も言えなく
なってしまいます。誰もが、心が痛むことと思われます。
年子と思える幼い子供達がいます。裸足で指を口に当て、相手をジッと見つめている写真は、それだけで
貧しさを十分に語っています。ホンジュラスの西部は、山がちだそうで、温暖の差が激しく、育つ作物も
限られているそうです。一般的には、収入が少なく、子供が多いため食べることが一番の問題なようです。
この子供達も、学校に通っているのかどうかは、分かりません。米百俵の話ではありませんが、貧困への
対策の第一歩は、教育にあるのですが、貧しいと、学校へ行きたくても、学校へ行けない、教育を受けて
いないから、よその土地へ行って働くことも出来ない、しかし、地元には、十分な仕事がない、仕事に
就けないから、収入もない、いつまで経っても貧しさから抜け出られない、そうした悪循環を繰返して
いるのかも知れません。
恐らく貧しい地域というのは、幹線道路などから見られるような所ではなく、車すら入って行けないような
奥地にあるのかも知れません。
そもそも、JICAシニアボランティアに応募する際の募集要項には、ホンジュラスが中米の最貧国の一つで、
観光を振興させることが、貧困の削減につながると書かれていました。まだ1年しか経っていないのですが、
ずっと昔のことのように感じます。
まさか貧しさを見に行く訳には行きませんが、どの地域にも観光の要素はあります。観光客さえ呼べれば、
観光客相手のビジネスが生まれます。また、例え教育がなくても、作れるものはあります。
JICAボランティア有志が、活動の枠を超えて、ヴァジェ・デ・アンヘレスで民芸品など、お土産品の
プロジェクトが始まろうとしていますが、陽の当たらない所でも、何か始められるようなものを見つけて、
少しでも役に立ちたいと願わずにはいられません。