数学の世界最高峰へ羽ばたこう!





今日のヘラルド紙です。一面中央で固い握手を交わしている若い二人が、大写しで紹介されています。
今年で49回目を迎える世界数学技能オリンピック大会が、7月10日から22日にかけて、スペインの
マドリッドで、開催されます。その数学のオリンピック大会に、この二人がホンジュラスの代表選手
として、初めて出場することになりました。



ホンジュラスには、国立の数学オリンピック委員会(CNOM)というものがあって、国内で数学の
選抜試験が行われたようです。そして、総数7,000人の生徒の中から、この二人が選ばれました。



ダルウィン・グティエレス君(19歳)は、昨年ポルトガルで行われたスペイン語圏の数学オリンピック
大会で銀メダルを獲得した実績があります。一方、オスカル・マドリッド君(17歳)は、まだ、国内の
数学大会しか経験していないのですが、類希な才能が教授陣の印象に強烈に訴え、大抜擢されたそうです。



これまでにも、中米とカリブ海諸国を合わせた地域で、数学オリンピック大会が行われていて、昨年の
10回大会では、ホンジュラスは、コロンビア、メキシコ、キューバに次いで、4位の成績を修めていました。



世界数学オリンピック大会には、マリアーノ・ソロルサノ先生、ルイス・ラモス先生の教授陣も同行され
ます。お二人は、ペダゴヒカ大学の教授でした。
毎週1回、この大学の体育館でバトミントンをやっていますので、とても親しみが持てます。
大学の正式名称は、国立フランシスコ・モラサン・ペダゴヒカ大学(UNPFM)です。



フランシスコ・モラサンは、首都テグシガルパのある県の名前でもあり、また、スペインからの独立戦争
闘った英雄の名前でもあり、5レンピーラ紙幣の表に、彼の顔写真があります。紙幣裏面には、1827年
トリニダッドでの戦いの様子が、印刷されています。



フランシスコ・モラサンは、また、中米5カ国の統合理想を現実のものとし、初代の大統領におさまった
のですが、利害を異なる者の手によってコスタリカで暗殺されてしまったそうです。そして、遺体は、
エルサルバドルに葬られたそうです。フランシスコ・モラサンの中米統合の夢は、ホンジュラスの国旗の
5つの星に示されています。
星は、ホンジュラスグアテマラエルサルバドルニカラグアコスタリカ5つの国を表しています。



ホンジュラスの算数と言えば、2007年7月6日に、経団連会館で、当時の麻生外務大臣が、「日本にとって
中南米の意味を問う−新時代のパートナーシップを育てるとき」の演説の中で触れられています。
1989年から、日本の学校の先生方が、JICA青年海外協力隊員となって、ホンジュラスの学校の延べ
2万人にも及ぶ先生方に、算数を指導してきて、ついにホンジュラス国定教科書となるまでに至った
ことを紹介されています。



現在でも、「算数大好き!」を合言葉に、ホンジュラスの各地それぞれの教室の場などで、JICA青年
海外協力隊・算数隊員の先生方が活躍されています。また、地方でお祭りなどがあって、日本文化を紹介
する時などには、算数コーナーを設けられるなど、算数に親しんでもらう機会を提供されています。



そんな訳で、ホンジュラスは、JICA青年海外協力隊算数隊員、また算数の専門家の方達と、
深くつながっています。そうしたホンジュラスが、今年初めて、世界数学技能オリンピック大会に、
満を持して参加することになりました。
恐らく、日本でも感慨深い想いをされている方達が、大勢おられることと思います。
ホンジュラスにいる人達と一緒に、声援を送らせていただきたいと思います。








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