ホンジュラスJICA事務所で、安全対策連絡協議会がありました。




昔のことになりますが、確か、日本人は、水と安全は、タダだと思っている、というような書き出しで
イザヤ・ベンダサン氏が、日本人とユダヤ人の著書の中で見解を示されていました。以後、日本人を
表現するための枕詞になった感がありました。



それだけ、日本という国の社会が安全だという意味にも受け取られましたし、また、他の国では、安全を
確保するためにコストをかけているのに、日本は、米国の核の傘の下で、コストをかけずに済ませている
というようにも受け取られました。指摘されている通り、大多数の日本人が、いつでも飲める水があるの
は、当たり前のことで、安全は、安全という言葉を意識する必要がないほど、安全な中で暮らしていると
思っていることを言い得ています。



この日、ホンジュラスで活動をしている全てのJICA関係者が、召集されました。青年海外協力隊員、
シニア海外ボランティア、専門家、JICA事務所関係者の皆さんです。



連絡協議会は、安全対策、健康管理、諸連絡の3部構成になっていました。



ホンジュラスに赴任する前に、安全と健康に関して講義を受けました。
更に、インターネットで、ホンジュラスの安全を検索もしました。いずれも治安が良くないというもの
でした。僅か1年4ヶ月前のことなのですが、ずっと前のことのようにも思えます。



実情を言葉で表すのは、やはり難しい作業なのだと思います。ことに、安全ということになりますと、
誰も何も言えなくなってしまいます。今日が安全であっても、明日が安全かどうかの保証など、そうした
ものは初めからありません。イラク自衛隊が派遣された時にも、国会で自衛隊が安全に任務できるのか
といった論戦があったのも記憶に新しいところです。



S所長の言葉にもありましたが、最終的には、自分の安全は、自分で護る、という言葉に集約されてしまう
のかも知れません。



これだけの人を集めるためには、コストもかかりますが、一人一人を訪ねることなどは出来ません。
首都テグシガルパで活動している人は、ほんの一部で、大多数が、ホンジュラスの全国で活動しています。



召集をかけることで、定められた日に、集まれるのかどうかが分かります。
連絡協議会は、平日に行われますから、それぞれが職場で、きちんと説明できなければなりません。
スペイン語で説明ができているのかどうか、そうした、それぞれの職場との関係なども窺えます。
更に、様々な路線交通網を利用しますので、各自の移動が参考事例として、その交通機関の現状把握にも
つながります。そして、何より本人と直接会うことによって、健康状態は元より、精神状態まで分析でき
そうです。天災は忘れた頃にやってくるという言葉もありますが、日頃の安全な暮らしでマヒしてしまわない
ためにも、具体的に注意を促す、こうした連絡協議会が定期的に行われる意義があるのだろうと思われます。



治安が良くないと言われているホンジュラステグシガルパで、幸いなことに毎日を安全に暮らしています。
しかし、安全は、元々、誰も何も保証出来るものではありませんから、それに対処するのには、日本とは
異なる国で生活しているのだということを常に意識して、日々、自分自身の安全を護ることを心がけていく
しかないのかも知れません。








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