シニアボランティア O氏が、今日のトゥリブナ紙で紹介されました。
Oさんは、アトランティダ県テラ市の国立森林学校ランセティージャ植物園で、ランの栽培で活動されている
JICAシニア海外ボランティアです。残りの任期は、1ヶ月を切っています。
新聞のタイトルは、1人の日本人が、ランセティージャ植物園で、2万本ものホンジュラスの国花のランを栽培
しているというものです。
ホンジュラスの国花は、以前は、バラだったそうですが、バラの花は、他国からホンジュラスに持ち込まれた
もので、固有の植物ではないということから、1969年11月25日に、法令で、ホンジュラスのラン(la orquídea
Brassavola Digbyana)が、国の花として定められたものだそうです。
Oさんのコメントでは、ランの種子というのは極めて小さく粉のようなものだそうで、研究室では、現在2万本
のランが栽培されているそうです。そして、このランが育つためには、これから3年かかるそうです。
Oさんは、20年前に、JICA青年海外協力隊員として初めてホンジュラスに赴任されたそうで、インティブカ
県のラ・エスペランサで、バラ、キク、カーネーションといった花を栽培された経験があり、その後、農業の
専門家として、世界各地で活動されたそうですが、ランの栽培としては、ギニアやスリランカでの経験がある
そうです。
その他の仕事としては、中米で見られる蝶やカブトムシ、また、日本では見ることの出来ないソンポーポスと
いう大きな蟻など、ホンジュラスの昆虫を写真に撮られていることが紹介されています。そうした写真は、
パネルに拡大されて、ランセティージャ国立公園内にあるビジターセンターに展示されています。
いずれも素晴らしい作品で、訪れる人の目を楽しませてくれています。
トゥリブナ紙は、JICAそのものにも言及されていました。
JICAの発展途上各国へのボランティア派遣というものが、住民に対して直接的に恩恵をもたらす活動として
好意的に受け入れられていること、2008年までに、世界中に、3万人以上のボランティアが派遣されていること、
1975年に日本とホンジュラス間で協定が結ばれ、1976年に最初の3名が派遣されて以来、2008年5月現在、1,000名
を超える青年海外協力隊隊員に、123名のシニア海外ボランティアが、ホンジュラスに派遣されてきていることを
伝えています。
ホンジュラスにとっては、大切な国の花のランを外国人が育ててくれている訳ですから、その喜びは、想像以上の
ものだと思われます。
栽培したランが、どのように育ったのか、また、ホンジュラスに戻って、見てみたいと言われたOさんの言葉が
印象に残りました。