マヌエル・ボニージャ国立劇場でガリフナの歌と踊りを見ました。  

ホンジュラスの北部海岸の東部に位置するコロン県のトルヒージョ、サンタ・フェ、リモンといった都市の
ガリフナ音楽グループの一団が、バスを仕立てて、首都テグシガルパのマヌエル・ボニージャ国立劇場
やってきました。



コンサートは、文化・芸術・スポーツ省のサルバドール・スアソ・ヴェルナルデス副大臣のご挨拶で始まり
ました。副大臣もまた、ガリフナ出身の方です。



ガリフナと思われる司会の女性が、民族の歴史を簡単に紹介していました。
17世紀半ば、奴隷を運んでいた船が途中で難破し、西アフリカから連れてこられていた大勢の黒人達が、海に
投げ出され、泳いで、泳いで、泳いで、やっとの思いで岸にたどり着いたそうです。その時に、彼らに手を
差し伸べ、助け、迎え入れてくれたのは、先住民のアラワコ族だったそうです。そして、自然にアフリカ黒人
とアラワコ族との文化交流が行われ、やがて混血が進み、今日のガリフナ族の祖となったそうです。



現在では、ガリフナと呼ばれる人達は、コロン県やアトランティダ県などホンジュラスの北部海岸地域一帯に
広く居住しているそうです。先月訪れたカリブ海に浮かぶ小さな島々のカージョス・コチーノスにも、ガリフナ
のコミュニティがありました。しかし、同じカリブ海の島々でも、イスラス・デ・ラ・バイーアの場合は、
プンタ・ゴルダだけが、ガリフナのコミュニティで、大半が、別グループの一団だったそうで、ガリフナ族では
ないそうです。



コンサートでは、とても素朴な印象を持ちました。
時代も場所もタイムスリップして、子供の頃の隣近所の人達が、歌って踊っているような親しみを覚えました。
踊りの後ろで太鼓を打っている手は、まるで道具か機械のようで、何時間でも同じリズムで打ち続けていられる
ように思えました。その太鼓の音に負けない歌声は、本当に素晴らしいものでした。ガリフナ族の民謡とでも
言えば良いのでしょうか、さり気なく歌われていたのですが、高く澄んだ声がとても素朴で、胸に響くもの
でした。女性達のコーラスも、素朴さの中にもレベルの高さを感じさせるものがありました。言葉の意味など
到底分からないのですが、男性との掛け合いなども面白く感じました。



途中で、副大臣が飛び入りで踊られるというハプニングな場面もあり、会場から拍手喝采を受けられていました。



ガリフナの魅力と題したコンサートの夕べは、ガリフナの歌と踊りが、ユネスコの世界無形文化遺産に指定され
ていることを十分に納得させるもののように思えました。



コンサート後、3階の広間で、ギフィティというガリフナのお酒を始め、飲物とガリフナ料理が、振舞われました。








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