紙すき工房現場を訪ねました。


グラシアス市からラ・カンパ市へ、更に、4輪駆動のピックアップ車は、山奥のトントロ村へ分け入って行き
ました。ここでは、この車種が威力を発揮しています。正直、よくぞ、こんな山奥まで手を差し伸べられた
ものだと思いました。



JICAプロジェクトチームが、ホンジュラスの貧困を削減する一助として、この山奥の女性達の自立支援に、
スポットライトを当て、紙すきを指導されてきていました。そして、現在では、PRAFに引き継がれています。
PRAFでは、条件が整えば、一定期間、融資の面倒もみてくれます。



紙すき工房のメンバーは、5人でした。それまでは、家庭の中に別々にいた女性達が、集まって一緒に仕事を
するようになりました。子供の数は、3人から12人だそうですが、子供に手がかからなくなったという人が
4人いました。



皆さん一様に、紙すきの仕事が楽しいと言っていました。
紙の材料となるものなど、必要なものの大半は、自分達の土地にあるものを利用していました。紙そのものを
作ることから、その紙を利用して、小物などを作っています。1日のかなりの時間を一緒に過ごすため、家族
同然の付き合いになっているそうです。



1ヶ月に1度、あるいは、2ヶ月に1度、近くの都市まで、それまでに作った紙を卸しに行くそうです。
交通手段を持たないため、商業活動の範囲も限られるようです。しかし、そこで得たお金は、それぞれ
働いた日数に応じて分配されることになります。



満足な教育を受けていない家庭の主婦だった女性が、技術を習得したことによって、集まることによって、
電気も通じていない山奥の村で、現金収入の手段を得たことになります。毎月、ミーティングの場を持ち、
様々な課題を話し合っているようです。



現場を訪問することによって、周辺の状況を把握することが出来ました。咀嚼するのには、時間がかかりそう
ですが、直接、生の声を聞けたことは、とても貴重なことだと思っています。





人気ブログ・ランキングへ