昨日のルビコンの決断は、政治家・山本孝史さんでした。


いのち尽きるまで・・・末期がんの政治家・山本孝史は余命を法律作りに捧げた、と書かれていました。



山本孝史さんは、交通遺児支援の仕事をされていました。交通遺児に対しては、奨学金制度がありますが、
中には、高校を卒業する前に、奨学金が打ち切られてしまい、中退せざるを得ない遺児がいました。



せめて、高校を卒業するまで奨学金を支給してもらえるように、役所に陳情されたのですが、法律で定め
られているので、それ以上のことは出来ないと言われてしまいます。



折しも、細川護煕さんから国会議員になるように要請されていました。法律に直接関われる政治家になる
ことを決断されました。そして、国会議員になられ、直ちに、この問題に着手されて、実現されました。



体調が悪く病院で診てもらったところ、医師から奥様に、末期がんであることが告げられます。
小細胞がんで、既に肝臓に転移していて、余命は半年、治療を継続しても1年半から2年と言われてしまい
ました。本人には告知しないように頼まれましたが、ご本人は、受けている治療から、病名は、がんで、
末期の段階だということ、そして、残された時間が多くないことを知られました。



がん対策基本法を作成され、その成立に、いのちをかけることになられました。



当初、数ある病気の中で、何故、がんなのかといった意見もあったようですが、今や二人に一人が、がんに
なるという最大の病気であり、残された時間がないことから、何としても、がん対策基本法を成立させる
ため、国会で、ご自身が、がん患者であることを公表することを決断されました。



がん対策基本法は、全会一致で成立しました。更に、自殺対策基本法を作成されるなど、いのちに関わる
法律に、生涯を捧げられました。



最後まで国会議員として、いのちの限り職務を遂行されました。



国会で、山本孝史さんが訴えられた同じ演壇で、ライバル政党の尾辻秀久さんが、弔辞を述べられていました。



法律と現実との隙間にいる弱者のために尽力された政治家がおられたこと、ご自身が末期がん患者である
にもかかわらず、いのちある限り、仕事を続けられることを選ばれたこと、そうすることが全国の病気で
苦しんでいる人達に、希望、勇気を与えられたこと、そして、崇高な精神、理念の前には、政党の枠なども
超えてしまわれたということ、また、ご本人の志と行動の影には、いつも奥様が寄り添い支援されておられ
たことなど、心に深く感じた1時間番組でした。



慎んでご冥福をお祈り申し上げます。







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