民主300超 政権交代

読売新聞朝刊の一面全面記事です。



自民歴史的惨敗 麻生総裁辞任表明



 政権選択を最大の焦点とした第45回衆院選は30日投票が行われ、即日開票の結果、民主党過半数(241)を
上回り、300を超える議席を獲得して政権奪取を果たすことになった。自民党は結党以来初めて第2党に転落、
麻生太郎首相は30日夜、党総裁を辞任することを表明した。非自民政権の発足は細川政権以来、16年ぶり。
衆院選で野党第1党が単独過半数を得ての政権交代は現憲法下では初めてで、日本の政治は大きな転換点を迎えた。
民主党鳩山由紀夫代表はただちに政権移行の準備に着手し、社民、国民新党と連立に向けた政策協議を行う。
鳩山氏を首相とする新政権は9月中旬に誕生する。



鳩山首相選出へ 



 鳩山氏は31日未明、東京都内の民主党開票センターで記者会見し、「長く続いた自民党政権に対して国民が
新たな政権を洗濯した。数におごることのない政治を行いたい」と述べた。
 これに先立ち、鳩山氏は30日夜、新型インフルエンザ対策など危機管理に対応するため、麻生内閣からの事
務引き継ぎを早期に受けられるよう求める考えも示した。新政権の人事は、小沢、菅両代表代行、岡田幹事長、
輿石東参院議員会長と協議して決める考えを強調した。新政権の枠組みに関し、参院では民主党単独で過半数
ないことを踏まえ、「社民、国民新両党と連立を組みたい」と改めて表明。3党でまとめた消費税率据え置きや、
郵政事業の4分社化体制の見直しなどを柱とする共通政策を基に、協議に入る。
 一方、麻生首相自民党本部で「責任を負わなければならない。1党員として党の再生に力を注ぎたい」と
述べ、党総裁を辞し、後継総裁の選出を急ぐ考えを示した。首相指名選挙を行う特別国会の日程は民主党
意向を尊重すると明言、招集日は9月中旬になる見通しだ。



小沢代表代行留任へ
 民主党鳩山代表は30日夜、東京・六本木の党開票センターで、政権獲得後の小沢代表代行の処遇について
「来年の参院選を見据えながら考えたい。選挙を大勝利に導いた大きな功績がある」と述べ、選挙担当の要職に
起用する考えを示した。選挙担当の代表代行に留任させることを軸に検討するとみられる。



海部元首相、太田公明代表ら落選
 今回は大物議員の落選が相次いだ。自民党は愛知9区の海部俊樹・元首相、群馬2区の笹川総務会長らが敗れた。
首相経験者の落選は1963年衆院選片山哲石橋湛山・両元首相以来、46年ぶり。
 公明党は東京12区で太田代表が、大阪16区で北側幹事長が敗北した。同党は新代表の選出を進める。また比例選
北陸信越ブロックで単独候補していた国民新党綿貫代表も落選した。



比例名簿足りず民主議席他党へ
 比例選近畿ブロックで、民主党小選挙区と比例選の重複立候補者の大半が小選挙区で当選した結果、比例
名簿登載者が比例選の当選枠に足りなくなった。公職選挙法の規定で、民主党に割り当てられるはずだった
2議席が他党に回った。
 みんなの党も、近畿、東海両ブロックで各1議席の当選枠を得たが、いずれも比例名簿登載者が重複立候補
した選挙区の得票で有効投票総数の10%に達せず、計2議席分の当選資格を失った。この結果、近畿ブロック
では自民党に2議席公明党に1議席、東海ブロックでは民主党に1議席がそれぞれ上積みされる結果となった。



 民主党は、公示前勢力(115)を190議席以上伸ばした。小選挙区では北海道、首都圏、東海、近畿などで圧勝し、
前回衆院選(52議席)の4倍以上となる221議席を確保した。福島、長野、愛知など8県では、結党以来初めて
議席を独占した。
 自民党は、公示前(300)から181議席も下回る歴史的大敗を喫し、119議席に低迷した。小選挙区選は64議席
とどまり、岩手、秋田、山梨、滋賀、長崎の5県は、衆院選挙区、参院選挙区の選出議員がともにゼロとなった。
 公明党は政権批判をかわせず、8人を擁立した小選挙区で初めて全敗。結党以来最低の21議席に低迷した。
共産党は9議席社民党は7議席と、それぞれ公示前勢力を確保した。みんなの党は、公示前の4議席を上回った。
国民新党は公示前から1議席減の3議席に後退した。新党日本は1議席を獲得したが、改革クラブ議席を失った。






人気ブログ・ランキングへ