日航、デルタが資本支援 読売新聞一面トップ記事です。

数百億円 最終調整 筆頭株主



経営再建中の日本航空は11日、世界最大の航空会社、米デルタ航空から数百億円規模の資本支援を受ける
方向で最終調整に入った。実現すればデルタは日航筆頭株主となり、経営再建に主導的役割を果たす可能
性がある。日航はデルタと、共同運航などの業務提携の締結も目指す。利用客の急減で経営危機に陥った
日航は、海外の航空会社から支援を受ける異例の手法で、再建を目指す。



 日航は2009年3月期決算で税引き後利益が631億円の赤字を計上した。赤字の穴埋めに資本を取り崩す格好
となったことから、経営の健全性を示す自己資本率は3月末時点で10.0%と、08年3月末時点の21.4%から大幅
に悪化している。日航を金融面で支えてきた銀行団の間には、資本支援に消極的な姿勢が強いため、日航
デルタからの出資を受け入れることで財務基盤の強化を目指す考えとみられる。



 また、両社の業務面では、旅客便での共同運航の開始が検討されている。成田発の国際線では、両社合計で
36%と圧倒的な占有率を握ることになる。



 日航は、北米から中南米にかけてのデルタの路線網の航空券を、自社の路線網と同様に販売できる。コスト
削減のため、米州方面の自社の不採算路線を廃止してもデルタの路線網を活用でき、利用者の利便性は確保
できる。デルタにとっては、日本の航空会社との初の本格提携になり、米州各都市と、東京、大阪以外の日本
の地方都市を結ぶ航空券を発券できるようになる。



 また、欧州路線では、欧州域内の近距離路線で仏オランダ系エールフランスーKLMとの共同運航を強化し、
観光客らの利便性を高めることを目指す。



 ただ、航空法の規定で、海外資本が日本の航空会社に3分の1を超えて出資することはできない。株主総会
重要議案を単独で否決できる「3分の1超」を握れないまま、デルタがどこまで経営の主導権を発揮できるかは
微妙だ。



デルタ航空 1924年、空中農薬散布会社として発足した。米南部や欧州・中南米の路線を中心に運営していた
が、2005年に原油価格高騰などの影響を受けて経営破綻。日本の民事再生法に相当する米連邦破産法11章の
適用を受けて07年に再建を果たした。08年10月、ノースウエスト航空と合併し、旅客輸送能力で世界最大の
航空会社になった。






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