クーデター後「経済は瀕死」 読売新聞の記事です。

 クーデターで国外追放されたセラヤ大統領が3か月ぶりに帰国し、暫定政権との間で緊張が続くホンジュラス
24日に入った同国は、欧米の援助凍結で失業が増え、外出禁止令の影響で物流もマヒするなど経済混乱が深刻化
していた。(ホンジュラス南西部アグアカリエンテで、小寺以作、写真も)


 
 暫定大統領のミチェレッティ氏はセラヤ氏が帰国した21日以降、支持者のデモを防ぐため国内の全空港を閉鎖。
連続40時間以上に及ぶ外出禁止令を発令する一方、国境の通行も厳しく制限した。グアテマラと接するアグア
カリエンテでは24日、税関前にトラックが約2㌔の列を作り、通行制限の解除を待っていた。



 「もう3日目。この国の経済は瀕死の状態だ」。運転手のワルテル・ランサさん(33)は吐き捨てた。グアテマラ
からガラスや燃料を運んでいるが、クーデター後は受注が激減し、月収は2万レンピラ(約10万円)から4分の1に
減った。



 ホンジュラス中南米でハイチ、ニカラグアに次ぐ貧困国。経済は外国の援助に依存しているが、クーデター後
欧州連合(EU)が6500万ユーロ(約87億円)の財政援助を停止し、米国も1100万?(約10億円)の道路建設向け基金を凍結
した。



 通行制限などは、こうした国民の苦境に追い討ちをかけた。外出禁止令は24日早朝に解除されたが、国境から
バスとタクシーを乗り継いで首都テグシガルパに向かう途中、ラジオから突然、夜間外出禁止令のニュースが
流れた。夜に首都郊外の検問所にたどり着くと、小銃を構えた警官数人に静止され、わいろと引き換えに通行を
許可すると持ちかけられた。



 セラヤ氏は首都のブラジル大使館に「籠城」し、政権復帰に向けてミチェレッティ氏との対話を求めているが
進展はない。首都まで運んでくれたタクシー運転手(36)はつぶやいた。「政治家も役人も自分のことしか考えて
いない。この国は発展するはずがない」






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