ホンジュラス人のMさんから短い祈り文のメールが届きました。

Mさんの送付リストにある数十人に宛てて一斉に配信されたもので、更に、それぞれの友人へ転送して、
祈りの輪を広げて欲しいと書かれていました。声無き庶民のささやかな行動なのかも知れません。



ホンジュラスには、神様のお陰でという名前の州や、感謝や希望という都市名など、宗教に深く基づいた
文化があります。日常のさり気ない会話の中でも、神という言葉が、頻繁に使用されていました。
アパートのガードマン氏が、仕事の合間に読んでいた本は、聖書でした。



カトリックプロテスタントといった宗派には関係なく、神への信仰そのものが、深く根付いているようです。
JICAシニア海外ボランティアとして着任した当初、ほとんどの人から、あなたの宗教は何ですかと尋ねられ
ました。うっかり、宗教はありませんなどと答えると、瞬間、本当に驚いた表情をされ、気遣った女性からは、
人前で、宗教がないなどとは決して言わないように、とアドバイスされました。



ホンジュラスの空港が閉鎖され、グアテマラエルサルバドルニカラグアと国境を接した国との流通が制限
されているようです。国際社会から孤立し、約束されていた援助資金もストップされて、ホンジュラスは、
本当に大変な局面を迎えていることと思われます。



経済制裁は、国際社会の有力な圧力の一つなのでしょう。経済に大きく左右されている社会では、考えている
以上の効果が期待出来るのかも知れません。しかし、信仰心の方がより強い社会では、若しかしたら、経済
制裁というのは、試練の内の一つで、神との対話をより深めるだけのことなのかも知れません。さりとて、
強い信仰心を制限したり、取り上げたりすることなどは出来ません。経済、宗教といった次元の異なるものを、
一方の論理で制するなどということには、元々無理があるのかも知れません。



一国の内政問題が、単なる内政問題としては、片付けられない時代に入ったということなのでしょうか。
ホンジュラスから伝えられてくるニュースと、現地の友人からのメールで、新たな問題点が浮き彫り化された
ような気がしました。






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