チリ大統領きょう就任 東京新聞の記事です。

避難民 指導力に期待 震災復興 治安対策を
[コンセプシオン(チリ中部)=嶋田昭浩] チリ地震で、がれきの除去や幹線道路の修復が急ピッチで
進む中、十一日には、今年一月の大統領選決戦投票で二十年続いた左派政権に終止符を打った中道
右派のピニェラ新大統領が就任する。人気の高かったバチェレ大統領は震災への対応の遅れから批判
を浴びており、震源に近い中部コンセプシオン周辺の住民からは新大統領に強い指導力を期待する
声が相次ぐ。
 「遅すぎるわよ」。孫の男性(26)が生き埋めになったというヘオルヒナさんが、がれきの山を前に
言葉少なにつぶやく。地震発生から十日たった九日夕。コンセプシオン中心部の十五階建てマンション
地震でつぶれ横倒しになり、隣の三階建てとほぼ同じ高さ。
 新築に近いマンションで、住民らの弁護士だというモルガド氏が「建築資材や建築手法などに問題が
なかったかどうか調べ、あれば訴訟を起こす」と近くの路上で息巻いた。
 コンセプシオンに近い太平洋岸の町タルカウアノでは、津波で打ち上げられた大型漁船が周囲の家屋
をなぎ倒し、今でも路上に放置されたまま。住民約五百人は、丘の上でテント生活を続ける。この地区
では地震発生から四日間、政府の支援物資などはまったく届かなかったという。
 「本来、震災初日に軍が出動しなければならないのに、兵士を見たのは三日目」と漁業のマノエル
さん(59)。新政権には「治安対策で強力な措置を望みたい」と語った。
 主婦のスサナさん(46)は、町中の軍部隊を見て「(一九九〇年までの)ピノチェト軍政を思い出す」と
話すが、「治安のためには軍も必要。今では民主主義が徹底しているので軍政復活はあり得ない」と
言い切る。
 会社員のルイスさん(45)は「バチェレは操り人形だ。取り巻きたちは『軍隊を出せば国民が怖がる』
と進言したのでは」との見方。新政権には「『変革』と経済の活性化を期待したい」と話した。






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