横浜歴史博物館で、野焼きが行われました。

横浜歴史博物館の体験学習で作られていた土偶と、横浜縄文土器作りの会

メンバーが成形した土器の野焼きが行われました。



夏の野焼きは、暑い最中に大規模な焚き火をする訳ですから、それだけで結構

体力を消耗します。横浜縄文土器作りの会も、気持とは裏腹に、高齢化が進んで

いますが、今夏は、学芸員志望の学生の皆さんが、実習生として野焼きイベント

に組み込まれていたため、とても大きな戦力となりました。



土偶づくりの体験学習は、小学校の夏休みとも重なっていたことからなのか、

なかなか盛況だったようです。大量のみみずく土偶が並んでいました。中には、

模様の飾りがはがれたり、破裂したりした土偶もありましたが、一つ一つ接着剤

で、丁寧にフォローされていました。



今回のモデル土器は、縄文時代前期 西ノ谷貝塚 諸磯a式深鉢形土器(器高22.1

cm、口径17.4cm、底径7.2cm、重841g)、縄文中期 大熊仲町遺跡 勝坂式

深鉢形土器(器高27.0cm、口径16.5cm、底径8.6cm、重2171g)、縄文中期

高山遺跡 勝坂式深鉢形土器(器高39.7cm、口縁部内径20.2cm、最大径26.3

cm、底部外形17.7cm、底径14.1cm、重4367g)、縄文後期 華蔵台遺跡

加曾利B1式壷型土器(器高14.3cm、口縁部内径7.3cm、口縁部外径8.6cm、

肩くびれ部径8.1cm、胴部最大径13.6cm、底径6.7cm、重622g)4点でした。



土器作りは、横浜歴史博物館所蔵の土器を、忠実に模倣することが基本ですが、

いつか火焔土器などにチャレンジしたいという夢があります。今回、遮光土器や

水焔土器に挑戦された会員がいました。祈るような気持で、炎の中の土器を見つ

められていたことと思います。見事な出来映えでした。

新たに、縄文時代に暮らせる人が誕生したように思えました。



作りたいという思い、粘土を練り上げ、寝かせ、じっくり観察しながら成形、

一定期間乾燥後、焼成、粘土がセラミックスに変わった瞬間の炎を見定めて取り

出します。土器作りの一連の工程ですが、そうありたいとは思いながら、いつも

工房で受けたままの粘土で成形、モデル土器の見方は不十分、つい個性を発揮

してしまうなど、周到さには、ほど遠いようです。



係長の井上さんから言われて気がつきました。確かに15年前は、日よけテントを

準備しました。現在は、公園の木が、程よい木陰を提供していました。

どうやら、木も、皆さんの技術も大きく成長しているようです。






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