10月31日、羽田空港からの国際線定期便が再開されました。

羽田空港利用の本格的な国際線の定期便運航は、32年ぶりのことだそうです。

新聞やテレビでは連日のように報じられていましたし、航空会社のテレビコマーシャル

も、時々目にします。海外へ出かけなくても、装いを新たにした羽田空港の施設を見に

行くだけでも楽しそうな感じです。



羽田空港というと、センディング業務が思い出されます。

旅行会社での最初の仕事は、海外へ出張されるお客様の手続担当でした。当時の羽田

空港から出国されるまでの必要な手続全てが守備範囲でした。早期作成願いを含めた

旅券申請書の作成、都庁、神奈川・千葉・埼玉県庁等への旅券申請、受領に同行、旅券

や査証用の写真取得案内、予防接種(種痘・コレラ・三種混合)医院への案内、また、

渡航先によっては、黄熱病の予約手配がありました。



そして、査証申請書の作成、大使館や領事館での査証申請及び受領。外国為替取扱銀行

で外貨購入許可証手続。一般の外貨枠を超える場合は、理由書を作成して、日銀申請と

なりました。航空便の予約手配、荷物が多い時は、航空会社の営業担当者へ事前連絡。

海外での宿泊ホテルなどの手配は、現地駐在員が担当されていました。日本と渡航先国

出入国書類等を整えお預かりしていた旅券や査証の有効期限のメモを添付、航空券、

外貨、海外旅行保険等の一式をお届けすることで業務は終了しましたが、出発当日の

羽田空港でのセンディング業務で締めくくりとなることが、ままありました。



センディング業務には、空港検疫所に立ち寄って、予防接種証明書に証明スタンプを

受けるという仕事もありました。代行業務の幅広さからなのか、サービスという際限の

ない競争からなのか、先輩から笑いながら言われた士農工商(旅行)エージェントという

言葉を思い出しました。



当時担当していたプロジェクトのお客様は、パンアメリカン航空を利用されていま

した。パンアメリカン航空は、世界を一周できる航空便として知られていて、そのこと

が目的で搭乗されていた方も少なからずおられたようです。



羽田空港では、1人の渡航者を大勢の人が取り囲み、万歳で見送られていた光景をよく

見かけました。突然の大きな発声に驚いたものでしたが、何年も経った今も強く印象に

残っています。



一般観光を担当した海外添乗の最初の出国空港は、羽田空港からでした。

当時は、団体客の旅券、予防接種証明書、航空券等は、添乗員が預かっていました。

また、慣習的に利用航空会社の記念として、人数分の航空バッグも準備していました。

重要渡航書類、荷物、それに絶対に遅刻する訳にはいきませんので、都度、羽田空港

ホテルに前泊していました。忙しい時には、ホテルの部屋で出入国書類を作成したり、

個人調書と旅券を見比べながら、お客様の顔と名前を覚えたりしていました。



もう、遥か大昔のことですが、懐かしく想い起こされました。

いつの日にか、ゆっくり羽田空港を見学してから、中南米へ飛び立ちたいものです。







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