NHKテレビ「南米大陸一周165日の旅」を見ました。

テレビ欄には、「前編 アンデスを巡りパタゴニアへ、ジャングルトレッキング、氷河崩落、世界最南端の都市」、

「後編 アマゾンと秘境ギアナ高地をめざして、イグアスの滝リオのカーニバル」の副題がついていました。



軍用トラックを改造した24人乗りバスで移動する南米一周のパッケージ旅行で、食事は1日2食付、宿泊は、テントを主にロッジを

利用。ツアー客は、世界各国からで、ニュージーランド、オーストラリア、英国、ヨルダン、そして、日本からも女性が1名参加

していました。ツアーリーダーとドライバー氏は、共に南ア出身。参加費用は、全行程参加で140万円でした。



参加目的は様々。9時から17時の勤務を10年間続けてきた女性は、人生の転機を迎え、じっくり考えるため、日常とは異なった環境

を求めての参加でした。65歳の定年退職者は、自身の健康を確認するために、また、離婚して、この旅行に参加した人は、余計なもの

を全て捨てる旅と位置付けていました。



ツアーは、エクアドルから始まり、最初に訪れたのは、ジャングルでした。宿泊先のロッジで、虫よけの蚊帳が映されたところで、

ツァー客の一人が、蜘蛛がいたと声を上げていました。一般的な旅行とは異なっていることを象徴しているようでした。



ペルーの見どころは、2400mの断崖に築かれたマチュピチュ。アクセスは、当時のインカ道を歩いてマチュピチュへ向かっていました。

ティティカカ湖が紹介されて、ボリビアに入国。ツアー40日目でした。



豊かな丘を意味するセロ・リコ鉱山の銀は、400年間で掘り尽くされてしまったそうですが、新たに錫の鉱脈が発見されていました。

労働は、1952年に廃止された奴隷が担っていたそうです。1万年前に隆起したというウジューニ塩湖を訪れていました。面積は東京都の

5倍。現在は、リチュームがあることが分り注目されているそうです。



アルゼンチンでは、ボリュームたっぷりのバーベキューステーキの夕食が紹介されていました。



アコンカグアを眺め、チリに入ったところで、ツアー客10人が旅行終了。新たに、オーストラリアからの参加者が合流していました。

人との出会いの中で、自身を成長させたいという歌手の卵がいました。



富士山に似たビジャリカ山は活火山で、噴煙が出ている頂上まで登山。風の大地パタゴニアでは、トーレス・デル・パイネ、氷河、

フエゴ島をトレッキング。消防士だったオーストラリア人男性が、ウシュアイアの消防署を訪ねていました。



ツアーは、北上。訪問先は、オタリア、ゾウアザラシなどが棲息するバルデス半島。ここまでで1万キロでした。

南米のパリといわれるブエノスアイレスでは、ヨーロッパ移民の人生が映し出されているというタンゴが紹介されていました。

日本人女性が飛び入り参加で踊っていました。



ラプラタ川をフェリーで渡り、ウルグアイに入国。



そして、イグアスの滝では、全員が満足していました。イグアスの滝のブラジル側では、満月の夜に、虹が見られるそうです。

透明な水のボニート・プラタ川でシュノーケル。ガイド氏がカイマンの子供を手づかみして、説明していました。

大湿原パンタナールを過ぎ、金の輸出で栄えたというパラチで、地方のカーニバル練習風景を見学。



リオデジャネイロで、リオのカーニバルを見たところで、ツアーバスとクルーが交代。新たに、オーストラリア、イタリアからの

ツアー客が合流。ツアーリーダーは、ブラジルが気に入り定住したオーストラリア人女性でした。インタビューされた彼女は、自分で

体験して欲しいと呼び掛けていました。



オウロプレトの町の教会は、周辺の建物と比べて、大きさや内部の装飾など、ずば抜けているように思えました。

町の中心にある市役所は、当時は監獄も兼ねていたそうで、頑丈そうな鉄の手錠や首輪が紹介されていました。



ブラジルの北部バイーア州の8割はアフリカ系だそうで、サルバドールは、奴隷貿易の拠点だったそうです。外からは何の変哲も

ない家のようですが、階段を降りるに従い地下が広がっていて、奴隷は、そこに閉じ込められていました。一方、武器を持っていない

黒人達は、空手のような、カポエイラという踊りをカモフラージュにした格闘技を編み出していました。



アマゾン川の長さは、6900キロ以上ということで、現在も調査が続いているそうです。その河口の町ベレンでは、一見バトミントンの

ラケットのような電気式の虫たたきが売られていました。



ベレンからマナウスまで、164人乗り3階建てのフェリーで5泊6日の行程だそうです。朝食、昼食、夕食と多少のバリエーションはある

ものの、6日間全く同じメニューだそうです。各自ベッドとなるハンモックを購入していました。


アマゾンには、地球上の生物の60%が棲息しているそうです。3年間で50cm移動するという歩くヤシが紹介されていました。

また、夜のジャングルツアーでは、懐中電灯に反応したカイマンの子供の目が赤く光っていました。



ベネズエラの国境の町サンタ・エレナは、地球最後の秘境と言われているギアナ高地への拠点で、ツアーでは、ロライマ山(2810m)を

登山。雨季には滝となる水の通り道が、山頂への道となっていました。食虫植物や、水かきがないので泳ぐこともジャンプもできない

独自に進化した黒いカエルがいました。ここは、20億年前の大地だそうです。



ギニア高地1000mの壁を登り切った達成感からなのか、インタビューされた人達の晴れやかな顔が印象的でした。

今日は古い地球、また、母親と一緒のような、やすらかな気持にさせてくれるという言葉がありました。



総走行距離31,650キロのツアーは、2010年4月5日、カラカスで終了しました。観光スポットを紹介しながら、参加者にスポットを

当てていました。そして、見知らぬ者同士が共に旅をし、生涯忘れることのない思いを胸に刻んだ旅行と結ばれていました。



このようなパッケージ旅行があることを知りませんでした。こうした旅行では、十分な手配など望むべくもなさそうですが、その分、

旅行内容は計り知れないほど豊かなものになっているように思えました。ツアーは、こんな旅行が出来たらいいなという個人の思い

から始まり、そうした考え方の旅行に共鳴する人がいたら一肌脱ぐといったように感じました。募集する枠を全世界に広げることで、

ツアーとして成立する人数を集められるのかも知れません。



新年早々、テレビ番組で、南米大陸を一周出来ました。番組では、参加者にもカメラを向けていたため、体験部分が強調されている

ようにも思えました。実際には、もっとゆっくり旅行できていたのではないだろうかと想像してしまいました。南米は、本当に遠い

地域のように思われますが、この旅行に、日本人女性が参加されていたことを心強く感じました。また、前編のコースでは、見覚えの

ある場所もあり、1年前の87日間の南米旅行を懐かしく振り返ることが出来ました。



明けまして、おめでとうございます。

本年もよろしくお願い申し上げます。







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